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ギリシア神話では、エリダヌス川は太陽神アポロンの息子パエトンが
天を駆ける太陽を曳く馬車から落ちた川だといわれています。

パエトンという太陽神アポロンの息子がいました。
彼は自分がアポロンの息子であることに誇りをもっていましたが、
友人の誰もがそれを信じてくれなかったため、パエトンはアポロンの宮殿に
出かけて行き、自分が太陽神の息子であることを証明しようとしました。
アポロンはパエトンを自分の息子だと認め、
証拠として何でも1つ望みを叶えてやろうといいました。
するとパエトンは友人達に証明するために、太陽を曳く馬車を運転させて欲しい
と頼んだのです。アポロンはこの申し出に困り果ててしまいました。
なぜなら太陽を曳く馬はとても気性が荒く、他の神々でさえも
乗りこなすことはできなかったからです。

しかし、パエトンはアポロンの言葉を盾にとって太陽を曳く馬車を借り、
大空へと飛び出しました。はじめのうちは順調に馬車を走らせていましたが、
馬たちは手綱を取るのがアポロンでないと気付いた途端に暴れはじめたのです。
馬車は、太陽の通り道である黄道を外れて滅茶苦茶に走りはじめ、
近づくものすべてを、太陽の熱で焼き尽くしてしまいました。
このままでは世界がすべて焼き尽くされかねないと思った大神ゼウスは、
仕方なく雷光を放ってパエトンを撃ち殺しました。
パエトンの亡骸は馬車から転げ、そして落ちて行ったのがエリダヌス川です。
パエトンの亡骸はひどく焼けこげ、見るも無残な有様でした。
水の精女たちがパエトンの亡骸を拾い上げて葬りましたが、
パエトンの姉妹であるヘリアデスたちはパエトンの死を悼み、
墓の上に臥していつまでも泣き続けたといいます。
やがてヘリアデスたちの身体はポプラの木へと変じて墓の上に宿り、
流れ落ちた涙は琥珀となって、エリダヌス川の底に沈んだといわれています。







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